第68章 リクエスト 現パロ 二人の家元$
それから華道部に通うようになって、昔みたいに義勇くんと話す機会が多くなってきた。
帰り道、以前なら陸上部のアレコレを話しながら歩いていた私。
実弥くんは黙って聞いていてくれて。
そんな関係をずっと続けていた。
でも、陸上部を辞めて、華道部の話を実弥くんにするようになって、自然と話題の中に義勇くんの名前が出る事が多くなってきた。
「そんなに冨岡が良いかよォ?」
「実弥くん?」
怒ってる?
何で?
「実弥くん、ごめん。私……何か……」
「白藤。今まで聞かなかったが、俺の事どう思ってる?」
「どうって……実弥くん、どうしたの?だって昔から変わらないよね?実弥くんは……」
「俺は……お前が……」
何で、泣いてるの?