第68章 リクエスト 現パロ 二人の家元$
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高校生になって、私たちの関係も少し変わった。
登下校は相変わらず実弥くんと一緒だったけれど。
体育の時間、私がアキレス腱を痛めて陸上を続けられなくなった。
落ち込んでいた時に声をかけてくれたのは意外にも義勇くんだった。
「白藤」
「義勇くん、どうしたの?」
「病院に運ばれたと聞いて……」
「隣の子と転んだ時にね、捻っちゃったみたいでアキレス腱が……もう陸上、出来ないって……」
「そう、か……なぁ、白藤。華道部に入らないか?」
「何で?」
「無理なく続けられるからだ。服も着物でなくても構わないし、華は活けた者の心を映すからな」
「華が心を?」
「そうだ。活け方によって変化する。自分の分身だ」
話を聞いていて興味が沸いた。