第68章 リクエスト 現パロ 二人の家元$
「おい、白藤!」
あ、こっちまで来ちゃったよ。
「師範、お疲れ様です……」
不死川に挨拶していると。
ひそひそ。
「何でさっきからあの娘ばっか……」
「幼なじみらしいわよ」
本当に、どうしていつもこうなのかなぁ。
白藤は一人心の中でごちる。
二人とも中学辺りから格好良くなってきちゃって。
加えて家元の跡取りになっちゃうし。
私だけ、置いて行かれちゃったみたいで、何だか寂しい。
「おい、聞いてっかァ?」
「う、うん。一時からだよね、ちゃんと行くから。ちょっと用があるから席外すね、ごめん」
あー、また逃げちゃった。
本当はもっと話したい。
昔みたいに。