第11章 終戦
シュゥゥゥ。
冨岡の背中の傷が塞がっていく。
不思議だ。
本当に、傷が癒えていく。
くちゅ。
舌を絡めると、甘く痺れる様な感覚が体を走る。
このままでは、まずい。
歯止めが、効かなくなりそうだ。
「はっ…冨岡さ…///」
熱をはらんだ視線に冨岡の手が止まる。
「痛く…なかったか?」
さっき、不死川にぶつけられた箇所を擦ってくれる冨岡に。
「……ふふ。平気です。私は鬼ですよ?」
「そうか…」
冨岡の背中側でざっくり裂けた羽織。
「あ、冨岡さん。羽織、かなり大きく裂けてます。……よろしければ、お直ししますよ」
「……あぁ、頼む」
「はい。綺麗に仕上げてみせます」
預かった羽織を丁寧に畳み、冨岡のもとを離れると。
未だ、片腕のままの宇髄の元へ。
「あの……部屋へ、来ていただけませんか?宇髄様……」
恥じらう素振りの白藤。
「ご褒美でもくれんのか?」
口角を上げ、宇髄が彼女の腰を引き寄せれば、小さくはいと返事があった。