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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第67章 澱(おり)の中で$


「白藤!!」

あの冨岡が色を無くして叫んでいる。

無理もない。

腹を食い荒らされてからの回復は時間がかかるだろう。

杏寿郎が白藤の体を支え直そうとしたが、槇寿郎に腕を捕まれ制された。

「藤姫は自然に回復する、後は冨岡殿に任せよう」

「父上、何を……」

「さもなくばお前まで『魅了』にあてられるぞ?」

過去に一度飢餓状態になり、三人の柱を相手にしたという藤姫の逸話を知っているため、槇寿郎は機転を利かせようとしたのだが。

「は?」

杏寿郎には伝わらないようだ。

「意味も分からぬか。冨岡殿、藤姫を頼む。血溜りは陽光が指せば消えるから構わずともいい。今は何より藤姫を……」

意識を手放しても尚、冨岡殿の羽織を掴むとは……

藤姫もいじらしくなったものだ。

「言わずもがなか。杏寿郎行くぞ」

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