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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第67章 澱(おり)の中で$


出産を目の当たりにしていない限り、男など役に立たないものだ。

「杏寿郎、藤姫を仰向けにしろ」

「父上それでは藤姫殿が苦しいのでは?」

「早くしろ、鬼子はおそらく先程から藤姫の腹の中を食い荒らしている……」

「何と!冨岡。少し手を貸してくれ」

冨岡と二人がかりで白藤の体を仰向けにすると、丁度月光が彼女の腹部を照らした。

ボコリ。

白藤の腹が不自然に歪む。

「うぐぅっーー!」

耐えきれなくなって来たのか白藤が血を吐きながら叫ぶ。

「白藤!」

「気をつけろ、そろそろ出て来る!」

グシャッ!

音と共に肉片が飛び散り、腹の中から鬼子が飛び出した。

月に向かい飛び出してきた鬼子の頭髪は薄桃色。

「ゴボッ……げほ、ヒュー……」

噎せこんだ白藤の呼吸音を聞いた鬼子がカッと目を見開いた。

瞳は藤色。

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