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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第67章 澱(おり)の中で$


ドクンと鼓動が鳴る度に、お腹の中でゴポリと、水音がする。

その感覚が段々早くなってきて……

ボスン。

腹の中から鬼子が蹴ってくる。

早く出たいと蹴ってくる。

ボスン、ボスン。

「ふっ、ふっ……」

水面の波紋が泡立つような、急にふつふつと湧き上がってくる焦燥。

痛い……

腰と腹に響く鈍痛。

ボスン。

人の赤子も腹の中では足を動かす。

ただ、鬼子は一撃一撃が遥かに重い。

気がする。

「ゴホッ……」

咳き込んだ白藤は口内に広がる鉄の味に眉根を寄せた。

血反吐を吐くとはこの事か。

「白藤、血が……」

「はいひょ、ふへふ(大丈夫、です)」

情けない。

白藤が一人で奮闘していると言うのに、俺が取り乱してどうする。

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