第67章 澱(おり)の中で$
「白藤……」
「……ふにゅ。槇寿郎様、すみません。また寝てしまいました……?、と……義勇、さん?夢?」
「ちゃんといる………」
「え?何故……だって……ここは……」
「俺が呼んだんだ 」
「杏寿郎様が……?」
「白藤……」
「義勇さ……ん……」
ダメだ。
視界が滲んで……
ぽた。
「大丈夫だ…迎えに来るのが遅くなってすまなかった……」
抱きしめられた冨岡の体温に。
ボロボロと泣き出してしまった。
「ひく…っ…来ちゃ…ダメなのに……」
「話したかった、お前と……一番不安なのはお前だったのに、気づいてやれなくて……本当にすまなかった」