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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第67章 澱(おり)の中で$


俺は……

「俺は運良く生き延びただけだ。あんな惨めな最終選別の後で、どれだけ鬼を倒しても……ましてや柱など……」

冨岡はこんな想いを。

「冨岡、君は悪くない……」

「っ……」

煉獄の手が冨岡の肩に乗せられる。

「柱全員、何かを背負っているが、君は何も語らなかったから……気づいてやれず、すまん」

「いや、謝らないでくれ。煉獄」

何故だろう。

ようやく、肩の荷が降りたような、そんな感じがした。

「冨岡。君は藤姫殿と会ってから色々と変わったな」

「変わった?」

「何がとは言えないが、どことなく、柔らかくなった」

「だとすれば、白藤のおかげだな」

「君も、そんな顔をするのか」

「どういう意味だ?」

表情の乏しい男だと思っていた。

だが、冨岡もやはり人だった。

先程の泣き出す手前の少年の様な表情(かお)をする一面も持ち合わせていたのだ。

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