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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第67章 澱(おり)の中で$


「実は、藤姫殿から頼まれたのだ。腹の子が産まれたら、その……」

「煉獄に?」

「いや、正確には父上に、だ。首を斬って欲しいと頼んでいた」

「何故……」

俺では、何が足りないと……

「多分。冨岡には背負わせたく無かったのだろう」

「背負う?」

そう言えば、宇髄も言っていたな。

「藤姫殿からそれとなく聞いた。君の親友だった少年の話を」

「錆兎の事を?」

「藤姫殿は君がその親友の想いを背負っていると……」

「俺は錆兎と蔦子姉さんに助けられてここに居るんだ」

冨岡は初めて煉獄に心の裡を明かした。

「最終選別で俺は怪我をして何も出来ず、朝を待った。錆兎は勇敢を絵に書いたような少年だった。いくつも悲鳴を聞いた。錆兎が鬼を斬っていたはずなのに、選別が終わった時アイツはいなかった……」

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