第67章 澱(おり)の中で$
「む?じゃねぇわ。まぁ、必要以上に落ち込んでないみたいだから、良いけどな」
「あ、義勇さーん!」
「竈門?」
「あ、宇髄さんも。お久し振りです」
「あぁ。…………何で竈門が冨岡の所に来るんだ?」
「えっと……」
炭治郎から訳を聞いた宇髄が声を上げて笑う。
「マジ、白藤に頭上がんねぇのな。冨岡。竈門に世話されるとか。……くくっ」
ニヤニヤ笑う宇髄の背を押す。
「うるさい。そもそも呼んでないから帰れ」
「おいおい。ぞんざいにすんじゃねぇよ。折角来てやったんだ。客人はもてなすもんだろ?」
「だが、俺は今から……」
白藤に会いに……
「あ、屋敷に入って、お茶用意しますね」
「炭治郎……」
「あぁ。悪いな、竈門。頼むわ」
「すぐ、用意します!」
何なんだ、この二人の意気投合は。
そんなこんなで、冨岡が屋敷を出るのが昼時になってしまうのだった。