• テキストサイズ

鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第67章 澱(おり)の中で$


「泣いていい……今まで張り詰めていたのだろう?」

槇寿郎は白藤を抱き抱えたまま、布団に腰を下ろした。

トクンと響いてくる、槇寿郎の鼓動が心地いい。

「泣きたいだけ、泣くといい……」

まるで幼子か何かのように、白藤は泣いた。

いつの間にか、白藤は槇寿郎の腕の中でぐっすりと眠っていた。

「寝顔だけは、昔と変わらんな……」

ツンと頬を指でつついて見るも白藤が起きる気配はない。

「父上」

「杏寿郎か」

「藤姫殿は落ち着かれましたか?」

「大事無い。今は寝ている。俺が後で部屋に運ぶから心配要らん」

「そうですか……」

あの頑なだった父が……

こうも、藤姫殿に尽くすとは……

「兄上。白藤様にお茶をと思ったのですが、見当たらなくて。何処においでか知りませんか?」

「藤姫殿なら父上の部屋だ。大事な話があるようだから、少しの間そのままにしてやってくれ。そのお茶は俺が飲もう」

「兄上はそれでよろしいんですか?」

「何がだ?」

「このままだと父上に白藤さんを取られてしまいますよ?」

「ぶっ!!ゴフっ、千寿郎?」

/ 1833ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp