第11章 終戦
「宇髄、一度引け。それ以上はテメェの体が持たねェだろ」
「冗談。まだまだやれるね」
見るからに痩せ我慢の宇髄。
「宇髄、あとは俺と不死川で引き継ぐ」
「あんだとォ!」
「おー、いつ起きたんだ?眠り姫」
「……」
痛い所を突かれて少々押し黙る冨岡。
「まあいいさ。そういうことなら今回はお前らに譲るわ。その代わり、へばんなよ?」
いつもの減らず口戻った宇髄を見て冨岡が頷く。
「承知した」
「…ったりめェだァ!そらァ、こっちだ糞鬼!」
ズバッと自らの腕を切りつける不死川。
「テメェ等の好きな稀血だ。こっち来いやァ!!」
「馬鹿か、テメェ。自分から利き腕切りつけるなんざ…」
稀血?
おいおい、鬼狩りの中にも稀血のヤツが居たのかよ……
なぶり殺して、肉片残らず喰ってやる!
妓夫太郎の目付きが変わる。
「いくぜェ、風の呼吸・伍ノ型 木枯らし颪!!行けェ冨岡ァ!!」
風の中心点から冨岡が相手の懐へ飛び込む。
柱同士ならでは可能となる技の掛け合い。
「水の呼吸・漆ノ型 雫波紋突き」
刃が妓夫太郎の頸へ真っ直ぐ向かって行く。