第10章 藤の毒
「やった、伊之助!!」
すごい!!
鋸のようにして斬った!!
ガシィッ。
堕姫の頸を捕まえる伊之助。
「頸 頸 頸!!くっつけらんねえように持って遠くへ走るぞ!!」
「わかった!」
伊之助と一緒に走り出そうとする炭治郎を呼び止める。
「炭、治郎君…」
「うわぁ、白藤さん!!血が!!」
白藤の出血量に驚く。
「この帯…斬ってくれる?」
「平気なんですか?」
「これでも鬼だからね。平気。優しいね、君は」
薄く笑みを浮かべる白藤に色気を感じ、赤面する炭治郎。
「/////」
「この鬼の体には私の藤の花の毒を取り込ませたから、しばらくしたら灰になると思うわ」
炭治郎に帯を切ってもらい、切れ端を体から抜いていく。
「後はもう一体の鬼だけど……気が進まないけど、宇髄さんにこれ以上負担をかける訳にはいかないし、冨岡さんと不死川さんに動いて貰わなきゃいけないわね…」