第65章 慟哭$
葬儀には沢山の弔問客が訪れて、皆篝の死を悼んでいた。
白藤も篝の葬儀に出席した。
寛寿郎から篝の死化粧を頼まれたからだ。
異例の抜擢だったが、無事御館様からの許可も得られ、白藤も出席となった。
「今日は世話になったな」
「寛寿郎様。もう一度よく見てあげて下さい。篝様がお待ちですよ」
「あぁ。そうだな……綺麗だ、篝。済まなんだなぁ……まだ、この先、お前と共に在りたかった……」
寛寿郎が泣いている。
当たり前だ。
愛する妻が自分よりも先に彼岸へ渡ってしまったのだ。
悲しくて当然だ。
槇寿郎も瑠火も目元に涙を浮かべている。
ただ、篝の遺体はどこか微笑んでいるように見えた。
彼女は最後の最後まで笑っていた。
「寛寿郎様は篝様に会えたでしょうか?」