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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第65章 慟哭$


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杏寿郎に連れられてやって来たのは煉獄家の離れ。

晩年の寛寿郎(杏寿郎の祖父)が過ごしていた部屋だ。

「まだ微かに寛寿郎様の匂いがしますね…」

寛寿郎は齢七十にしてこの世を去った。

命日は杏寿郎が炭治郎たちと共に無限列車を下車した日。

まるで、杏寿郎の身代わりになったようだと槇寿郎は語っていた。

今でも覚えている。

快活でどんな事でも笑い飛ばしてしまう男だった。

『カッカッカッ!』

また聞こえて来るのではないかと錯覚してしまう程に。

「藤姫殿。少しそこで待っていてくれ、今布団を敷く」

「ありがとうございます」

杏寿郎に促され、文机の脇に備えられた座椅子に腰掛ける。

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