第10章 藤の毒
ギュルッ。
帯で鎌の方向を変える。
取った。
やっぱり俺たちは強ぇんだよなぁ。
「アイツ!ミミズ帯野郎!」
「オイオイオイ、冨岡ァ、テメェ手ェ抜いてんじゃねぇぞォ!!」
「すいません、俺が取り逃しました!!」
「っざけんなよォ、テメェ!!」
ふっ。
蟷螂野郎が消えた。
「天元様鬼を探して下さ…」
雛鶴が宇髄に呼び掛ける。
「え?」
フワリと白藤の体が浮遊した。
妓夫太郎「唸れ、飛び血鎌ぁ!!」
ダメだ受け身が取れない。
屋根に背中から叩きつけられる。
できるだけ身を固くしてぎゅっと目を瞑る。
ガシャアン。
いつまで経っても訪れるはずの衝撃が来ない。
まるで何かに守られているかのように温かい。