第10章 藤の毒
ドス、ドスッ。
足が再生しない……
やはり何か塗られていた、このクナイ。
おそらく藤の花から抽出されたもの。
なるほど、並みの鬼じゃあ立っても居られねぇ毒だぜ。
体が痺れ…
「雛鶴さん、下がってください!」
やるじゃねぇかよ。
あの女の能力か。
厄介だぜ、ありゃぁ。
確実に仕留めるぜ。
妓夫太郎は奥歯を噛み締めた。
「雷の呼吸・壱ノ型 霹靂一閃・六連」
ドドドドドド。
短時間で鬼殺隊側の統制がとれ始めた。
流れを変えやがった。
それに、どうして、鬼狩りが鬼守って戦ってやがる。
おかしいが、おもしれえなああ!!
確かあの鬼は回復要員だと言っていたなぁ?
何か秘密があるに違いない。
なら、先に始末してやる!
ヒュガッ。
妓夫太郎が白藤たちの前に躍り出る。
「来たぜェ、金髪!気張りやがれッ!風の呼吸・伍ノ型木枯らし颪」
チイッ、鎌が風に。
「お兄ちゃんの邪魔はさせないッ!」