第10章 藤の毒
「藤の毒を塗ったクナイよ」
「それなら、毒を上塗りします。確実に動きを止められるように。肺に入るといけませんから息を止めて下さい。血鬼術・藤霧!」
フゥ--。
藤の毒を霧状に吐き出して、クナイに上塗りする。
「打って下さい!」
白藤の合図で雛鶴が発射装置の引き金を引く。
ビィン。
何だ?
クナイか。
柱を前に、この数全て捌くのは面倒だなぁ。
ちまちまと鬱陶しいぜ。
まぁ、当たった所でこんなもの。
いや、そんな無意味な攻撃、今するか?
妓夫太郎の直感が危険だと訴えてくる。
「血鬼術・跋弧跳梁!!」
鎌の斬擊で天蓋を作る、器用な芸当を披露しながら妓夫太郎は視界に入ってきた光景に目を疑った。
「!?」
オイオイオイ、何だ何だコイツは。
突っ込んでくるぞ。
刺さってんじゃねぇか、テメェにもクナイが。
そうか忍だ。
剣士じゃない。
元々コイツは感覚が真面じゃねぇ。
ヒュガッ!
宇髄が妓夫太郎の足を分断する。