第65章 慟哭$
「端的に申します。悲鳴嶼さん、白藤さんのお腹の子が産まれたら、その子の頸を斬って頂けますか?」
「胡蝶!お前……それを決めるのは、アイツらだろ……?」
宇髄にしては珍しく、声を荒げた。
胡蝶は驚いた。
宇髄でもこんな顔をするのかと。
「ふむ。胡蝶よ、藤姫殿の子は冨岡の子ではなかったのか?」
「あぁ。皆さん勘違いされているのですよ」
「勘違い?」
「胡蝶、俺が話すわ。悲鳴嶼さん、実は白藤の腹の子。この間居なくなった時に鬼に襲われて、出来た子みたいなんだわ」
宇髄なりに気を遣ってくれたのだろう。
「では、腹の子は鬼子か」
「そうなんです……」