第64章 絡む糸
「もしもーし。白藤さん」
「胡蝶様?」
「検査は終わりましたから、冨岡さんと一緒に帰って下さいね?」
いつの間に……
胡蝶らしいといえばらしいが。
「白藤。帰るぞ?」
「義勇さん……私、ここに居ます。胡蝶様、二、三日私を置いて貰えませんか?」
「…………」
「私は別に構いませんが……白藤さんは寂しく無いですか?冨岡さんと一緒じゃなくても……」
「それは……」
「落ち着ける場所でゆっくり休むことも大事ですよ?」
「でも………」
「白藤さん。冨岡さんが待ってますよ?」
「…………黙って出てきて、ごめんなさい。義勇さん」
「俺の方こそ済まない。不安に気付いてやれなくて……」
白藤が冨岡に抱きつく。
「義勇さん!大好きです……」
「俺もだ……」