• テキストサイズ

鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第64章 絡む糸


「っ……」

急に体を起こしたせいか、目眩に襲われ、数歩後ずさる。

「はぁ……」

体調が悪いにも程がある。

これではまるで身重のようではないか。

そう考えついて、白藤はいいやと頭を振る。

人とて、産まれてくるまで、腹の中で十月十日かかるのだ。

昨日の今日で孕んだかどうかなど分かりはしない。

人でない私は月のものすら来ていないのだ、そんな体で子を孕むなど……

ドクン。

心臓が早鐘を打ち始める。

人の頃とは違う、定期的ではない心音が、まるで警鐘のように鳴り響いている。

「鬼は子孫を残せない……」

口に出して、違和感を払拭しようとする。

/ 1831ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp