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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第64章 絡む糸


「白藤……」

「義勇さん、帰りましょう」

「あぁ、そうだな。胡蝶、世話になった」

「いいえ、いつでもどうぞ」


蝶屋敷からの帰り道。


二人は無言だった。


日暮れ時で白藤の顔がよく見えない。


調子の悪い白藤を早く休ませたい想いもあるのに、胸に何かがつかえて、うまく言葉に出来ない。


結局、何も話さないまま屋敷に着いてしまった。


義勇は門前で肩を落とす。

こういう時、亡くなった俺の朋友(とも)ならば、気の効いたことを言えたのだろうが……

「とりあえず、中で……白藤?」

先程よりも、白藤の顔色が悪い。

俺も白藤も冷や汗が浮かぶ。

冨岡は狼狽(うろた)え、彼女を抱えて急いで屋敷の中へ駆け込んだ。

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