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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第63章 春告げ鳥が鳴く頃に$ 不死川激裏短編


「……らしくねェ…」

自分の中にこんな感情があったのか?

焦れるような、はがゆい想い。

この手で母親を殺してから、誰かを好きになる資格なんてないと思ってた。

「お前さ、ちゃんとコイツに伝えてやったら?」

もう気付いてんだろ?

と、宇髄の視線が俺を射抜く。

『不死川くん』

頭の片隅でもう居ないはずの彼女の声がする。

今思えば、一目惚れだった。

が、当時の俺は気づいていない振りをした。

カナエの一挙一動を気にした。

周りが噂をするくらい、俺は彼女を見つめていた。

共に任務に当たることはなかったが、負傷で蝶屋敷に呼ばれることはあったから、それだけで満足していた。

彼女が亡くなるその日までは--

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