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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第63章 春告げ鳥が鳴く頃に$ 不死川激裏短編


「…………」

忍びのしきたりなんざ知らねぇが、宇髄がコイツに本気なのは何となく分かった。

コイツを触る時の柔らかい表情。

これまで何人たらし込んだんだかとも思うが……

「俺は………」

はっきり言えば分からない。

白藤は健気で素敵だとは思うが……

「不死、川さん……」

寝言か?

「寝言聞いても分かんねぇ?コイツは……お前が好きなんだよ……」

白藤が?

「俺は……」

「何迷ってんだよ。いつもみたいに、はっきりしろよ」

「宇髄?」

宇髄の方こそ、らしくない。

いつもの彼は付け入る隙がなく、のらりくらりと煙に巻くはず……

それだけ、本気ってことか……

『不死川さん』

寝言で名を呼ばれ、正直ドキリとした。

いや、何より……

あの日泣いていたはずの彼女が、今鬼狩りをしていて、俺を好いていると……

あの時、お互い名乗らなかった。

それでも、こうして巡り会えたのは……

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