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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第63章 春告げ鳥が鳴く頃に$ 不死川激裏短編


得体の知れない何かが近付いてきている。

怖い。

再び、震え、声を押し殺すように、口を押さえる。

「物音立てるなよ。今から俺がアイツを……」

ガシ。

「あァ?」

「っ、どこに……」

ぽん。

彼の手が私の頭を撫でる。

「心配すんな。お前は俺が守ってやる。さっさと倒してくるから、目を瞑ってじっとしてろォ」

「………はぃ」

彼は私を置いて外へ。

目を瞑っている間、途切れ途切れに外からの音が聞こえる。

金切り声のような叫びと、ゴウゴウと唸る風の音。

まるで、風で全ての音を遮断しているような……

しばらくして、風の音が止んだ。

チンと、小さな音がなる。

今思えば、刀を納めた音だったのだろう。

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