• テキストサイズ

鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第63章 春告げ鳥が鳴く頃に$ 不死川激裏短編


小窓から差し込む月光で、傷だらけの腕が見える。

ゆっくり振り返ると、見えてきたのは白みがかった髪に紫暗の瞳。

初めて彼に会ったのに、不思議と怖くなかった。

「悪ィな。怖ェだろうが、少しだけ大人しくしといてくれや」

ほんの少し粗暴な口調で彼は遠慮がちに言った。

私は無言で頷いた。

彼の顔を見たことで少しだけ、緊張が解けたからだ。

よく見たら睫毛も長いし、格好良い。

傷が多いのが気になったが……

なんにしろ、恐怖が緩和された。

ヒタリ。

何かの気配を感じた。

カサカサ。

こちらに近付いてきている。

「生き残りを探してるなァ……」

生き、残り……?

胸がざわつく。

先ほどから家の者の姿が見えない。

この青年は味方のようだが、他に何かが迫って来ている。

私に身を守る術はない。

/ 1846ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp