第9章 戦いの只中で
「ひっひ、勝てねぇよ」
「余裕で勝つわボケ雑魚がァ!!」
宇髄の大声にその場の全員が一瞬足を止める。
「毒回って足枷あってトントンなんだよ。人間様を舐めんじゃねぇ!!こいつらは三人共優秀な俺の"継子"だ。逃げねえ根性がある。手足が千切れても食らいつくぜ!!」
伊之助と善逸を鼓舞する様にまくしあげる宇髄の台詞にいち早く反応したのは意外にも不死川であった。
「俺は"継子"じゃねぇっ!!柱だ!くそっ、胸糞悪ィ!!白藤ィ、戦い終わったら抱かせろやァ!!」
「ちょっとアイツ何言ってんの?」
不死川の発した台詞に善逸が引きつった顔をする。
なぜこの場でと思いながらも、白藤は返事をする。
「……分かりましたから、死なないで下さい!」
「えぇぇえっ!?」
予想外の返答に善逸の雄叫びが木霊する。
-了-