第63章 春告げ鳥が鳴く頃に$ 不死川激裏短編
「………なぁ、白藤。この後ちょっと来ねぇ?飲み会には花がねぇと盛り上がんねぇからな」
「飲み会?」
結局、着いてきてしまった。
というか……
「私、場違いじゃありませんか?」
私が連れて来られたのは、温泉旅館。
しかもよく聞くと柱たちの慰安会。
都合の合う者だけの参加とのことだが……
集まりの前にめかし込んで来いと放り出され、空き部屋で着替えと化粧をしている。
隊服じゃ面白味が無いって言い分は分かるけど………
「私、これ着るのか……」
別にスカートが嫌いな訳ではない。
丈も恋柱の物より長いし、胸元が空いてる訳ではない。
ただ……
「何でぴったりなんだろう……」
そう、採寸が市販品ではなく、指定されたかのような見事な出来映え。
ふわふわなスカート、首から胸元にかけて大きな黒いリボン。
宇髄さん曰く、異国の給仕服。
メイドと呼ばれる女中の服なのだという。