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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第63章 春告げ鳥が鳴く頃に$ 不死川激裏短編


「別に……」

まぁ、宇髄さんになら、知られても良いか。

からかわれるけど、ひろめはしないんだよね、この人。

「ってか、何でアイツな訳?」

それは当然の疑問だろう。

面と向かっての接点はほとんどない。

任務も一緒にならない。

でも、傷だらけの彼に助けてもらったのだ。

鬼という化け物から救いだしてくれた彼の面影が忘れられない。

助ける側が何でそんなに傷だらけなのか聞いたら……

『俺は稀血つって鬼が好む血の持ち主でなァ、俺が血を流すと鬼が酔っぱらっちまうらしィ』

「………」

変なのと思いながら、彼の後ろ姿を眺めた。

懐かしい。

でも、きっと不死川さんは覚えていないんだろうなぁ。

「昔、助けてもらったんですよ」

「そうか」

あの時、鬼に襲われ、傷を腕に刻まれたため、私の婚約は破談になった。

結果、鬼殺隊に入っているのだから、嫁入りはそう容易くはいかないだろうし……

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