第63章 春告げ鳥が鳴く頃に$ 不死川激裏短編
どうせ、噂になるなら宇髄さんと答えたら良かったと思ったが後の祭りである。
「どうした?浮かない顔だな」
格好が派手なだけで宇髄さんは美形だし。
あ、でもこの人には奥方が要るんだよね、確か……三人だっけ?
「そういや、お前冨岡が好きなんだって?噂になってんぞ?」
「あぁ、お耳に入りましたか……」
遠い目をする私を見て。
「何だ、やっぱりガセか?」
「え?」
てっきり、からかわれると思っていた私は宇髄を見て目を丸くした。
「どうした、気付いてないとでも思ったか?」
「……はい」
「俺、元忍だぞ?観察出来てなかったら意味無ぇだろ」
「確かに」
「んで?任務も一緒になんねぇから告白出来ねぇんだろ?不死川に」
「げほっ!?」
盛大にむせた。
お茶だから良かったけど。
「何で……」
「不死川の話題だけ避けるだろ、お前」
ニヤっと笑う宇髄さん。
見透かされている。
何か悔しい……