第62章 スルタン企画 絶対君主には成れずとも下巻2完結$
それと……
「すまない、白藤……」
「どうかしたの?」
「俺、お前以外の女を……抱いたんだ」
「……………え?」
「すまない……」
深く頭を下げる冨岡。
「顔、上げて?義勇……相手は朔っていうエディルレイドだけよね?」
「あぁ。………何故?」
宇髄さんから遠巻きに報告は受けていた。
エディルレイドは波長の合う者と肉体関係をもつということも、彼から聞いたのだ。
何しろ、彼の妻の一人がエディルレイドなのだから。
王子たちは使い手に選ばれることがあること、それと同時にエディルレイドと同契し、彼女たちの世代を支える責任が課せられること。
世代を支えることはつまり、彼女たちエディルレイドと使い手の間に子を設けること。
だからこそ、エディルレイドも妻にするのだと。
妻とは別に子を産むからだ。
聞いた時は衝撃だったが、宇髄の元にいた須磨はエディルレイドのはずなのだが、人と同じように暮らし、笑顔を浮かべていた。
あのような様子を見て、今更エディルレイドの存在を否定することは白藤には出来ない。