第62章 スルタン企画 絶対君主には成れずとも下巻2完結$
「義勇様、お顔が怖いですよ?」
「……すまない。柄にもなく緊張していた」
「大丈夫です、私がついてますから」
「そうか。ありがとう」
今……
笑った?
あの、義勇様が微笑みを……!
「どうした?朔」
「大丈夫です、とりあえず王に謁見しましょう?」
「王に、か……」
カツ、カツ。
「朔、こっちだ。誰か来る……」
カツ、カツ。
「む?気のせいだったか?話し声がしたと思ったのだがな……」
「杏寿郎…」
廊下を進んで来たのは王位継承者第一位の煉獄杏寿郎。
俺とは腹違いの兄弟だ。
「む。冨岡ではないか!」
相変わらず賑やかな声だ。
「あまり騒いでくれるな……」
「まぁ、そう言うな。久方ぶりではないか!」
悪いヤツではない……
あぁ、王との謁見前にあまり騒ぎになりたくないのだが…