第62章 スルタン企画 絶対君主には成れずとも下巻2完結$
冨岡の背にギュッと抱き着く。
やはりカンバダに乗っていたおかげか早めの昼食の後から三時間程でフラムの市街地にやってこれた。
これなら夜が更ける前に王宮に着けそうだ。
陽が西へ傾いてきた。
出来るだけ人混みの少ない路地を通り、王宮へ向かう。
「お?来なさったな?」
王宮の前に立っていたのは……
「宇髄……」
願ってもない人選だ。
「随分、道草食ってきたんじゃねぇか?それとソイツ誰?」
「俺から説明する。とりあえず中に入れるか?」
「しゃーねぇから手を貸してやるぜ。感謝しろよ?」
宇髄のおかげで裏の通用口から王宮に入ってこられた。
さて、一度自室に戻るべきか……?