第62章 スルタン企画 絶対君主には成れずとも下巻2完結$
私は、義勇様が好き。
だから、旅がこのまま終わらなければ良いと思ってる。
帰ってしまえば、義勇様には奥様がいて、私が隣に行くことは出来なくなってしまうだろうし……
「義勇様…」
「朔、どうした?」
「離さないで、下さいね……」
「心配するな……」
髪を優しくとかす冨岡にくっついて、衣装を掴む。
都合が良いにも程がある。
でも、夢を見ずにはいられない。
この人との子供をもてたら良いのに…
カンバダに跨がり、冨岡の腰に腕をまわす。
叶わない夢。
でも、世代交代にはエディルレイドにも子供が必要……
いくら長命とはいえ、子を生むなら早いにこしたこともないし……