第62章 スルタン企画 絶対君主には成れずとも下巻2完結$
「俺たちは夫婦ではない……」
「え?そうなんですか?」
アオイが頭に疑問符を浮かべている。
それもそうだろう。
「訳あって、今は妻と会えないんだ」
訳あって……?
もしかして……
『あなた、何処へ行かれるの?』
『すまない、外せない用があるんだ』
『まさか、またあの女と会うつもりなのですか?』
『お前には悪いと思っている……』
みたいな、感じの想像がアオイの頭によぎる。
アオイは最近、カナエとしのぶが書く恋愛ロマンス小説にはまっている。
だめだめ、変な目で見ては……
「義勇様ー」
でも、朔様から漂う愛人感が……
アオイが一人妄想と格闘している間、冨岡は王宮での段取りを考えていた。