第61章 藤姫の帰還
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「あら?早かったですね?」
「いえ、その……あ、胡蝶様とそちらの方、お怪我をされていますね。治します」
「不治露」
白藤が二人に口付ける。
甘露寺の頬の傷と胡蝶の手の甲の傷が癒える。
「さすが、白藤ちゃんね。綺麗に治ったわ」
「良かったです」
「さて、まずは本部に戻りますよ?白藤さんの無事を御館様に報告しないといけませんからね」
「御館様……?」
ざざ。
--ないよ。
それは呪いの言葉の様に……
「はい、御館様です」
--離さないよ、君は僕だけを……
愛していれば、いいんだ……--
「ぃや……」
「白藤さん?」