第61章 藤姫の帰還
「………湯浴み、でしょうか?」
「はい」
「私、その……」
「どうしましたか?」
「貴方のような綺麗な方と入るのは些か緊張してしまって……」
「何をおっしゃいますか。白藤さんも美人じゃないですか」
「……でも、私は鬼で……」
「白藤さんは人を食べないのでしょう?」
「はい……」
「なら、問題ありません」
「ですが……」
「鱗滝様、浴室お借りします。冨岡さん。薪割りお願いしますね?」
「…………あぁ」
疑問符を浮かべている冨岡を他所に、支度を整え始める白藤と胡蝶。
「では、参りましょうか」
「はい」
脱衣所にて胡蝶の体を見て、白藤は彼女の体に刻まれた無数の傷を目にした。
隊士様は大変なお仕事だわ。