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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第61章 藤姫の帰還


猗窩座も言葉に詰まった。

確かにそうだ。

十二鬼月でもない女鬼を相手に何を拘る必要がある。

たかだか昨夜一日閨を共にしただけ。

記憶を失った彼女に名前を与えただけ。

ただそれだけだ。

ただでさえ、藤の匂いがする妙な鬼を同族が嫌悪するならまだしも、好き好むとは……

「そいつは十六夜は特殊な鬼だからだ。そうだ、あの方に献上しよう」

「あの方とは?鬼舞辻無惨の事ですか?」

「はっ。貴様らのような人間には遠く及ばない存在だ、軽々しく名を呼ぶな!」

ドン!

「貴様ら、俺から逃れられると思うなよ?術式展開 破壊殺・羅針」

猗窩座の闘気が高まり、彼の足元に雪の結晶のような紋様が浮かび上がる。

「まずは貴様だ。女の柱には用はない。十六夜を離せ」

猗窩座と冨岡の視線がかち合う。

「猗窩座と言ったな。俺は水柱 冨岡義勇。覚えておけ、貴様を倒すのは俺だ」

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