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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第60章 谷底の社$


冨岡は感情のまま、外へ駆け出した。

ハッ、ハッ。

珍しく、息を乱して走る。

胸がつかえて、上手く息が吸えない。

やって来たのは、鱗滝の最終修練場。

門下生たちが岩を斬った場所である。


白藤、白藤、白藤……


どうして、あの時……


俺が、手を、離さなければ……


「~~……!!」

何だ?

聞き覚えのある声が……

バシン!

「しっかりしろっ!義勇!」

頬をぶたれた。

痛みは本物に感じる、頬がじんじんと熱い。

「---………」

冨岡は信じられない者を見た。

会えるはずが無いと思っていた。

彼には……

「義勇、泣くな。今しなきゃならないのはそれじゃない」

「…………………」

冨岡は言葉が出なかった。

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