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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第60章 谷底の社$


「鬼が落ちてくるのは、初めてだな」

弱った鬼を食べる者がいることを彼も知っている。

だが、猗窩座は彼女を喰らおうとは思わなかった。

その内、意識を取り戻し、いずこかへ立ち去るであろう彼女を猗窩座は捨て置くことにした。

鬼ならば、弔いも必要ない。

鬼ならば、喰らう必要もない。

猗窩座は彼女をその場に横たえたまま、山中へ向かった。

目的は『青い彼岸花』である。

青い彼岸花は、鬼舞辻無惨が鬼を増やしながら、血眼になって捜索しているモノに他ならない。

真偽のほどは分からないが、神秘の霊薬(日光を克服する)を作るための材料になるのだそうだ。

たかが、野花。

だが、その存在はようとして知れず。

彼は宛も無く、それを探し続けている。

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