第8章 上弦の陸
ガシッ。
捕まった。
せっかく、冨岡さんが守ってくれたのに……
「なぁ、お前何なんだ?」
「汚ねェ手で触ってんじゃねェよ。風の呼吸・壱ノ型 塵旋風・削ぎ」
「不死川さん…」
「何て顔してんだァ?」
まさか、この人が助けに来てくれるとは思ってなかった…
「ウチの藤姫。返してもらおうか」
その会話が炭治郎の耳にも届く。
「藤姫?」
白藤さんのことだろうか?
「余所見をするな。来るぞ」
「はい!」
屋根の上で冨岡、炭治郎が堕姫との交戦の中、私は…
「どうして…」
この人は鬼が嫌いなんじゃ……