第58章 絶対君主には成れずとも$ 下巻1
だとすれば、こういう時は………
冨岡は頭を抱えながら、ここ数日の出来事を振り返った。
王宮から追放され、妻の白藤には触れられない日々が続き……
懇願され、朔と一夜を共にし……
武器屋の行商テントと叔父上の屋敷で朔との情事を経験している冨岡にとっては目の前にいるしのぶと一夜を共にするよりも、朔と一夜を共にする方が魅力的である。
何より朔は従順である。
滑らかな肌触り、褐色の肌に流れる絹のような柔らかい浅黄色の髪。
肌艶だけではない、指先から足の先まで洗練されたようなボディーバランス。
体の相性も申し分なかったことといい………