第58章 絶対君主には成れずとも$ 下巻1
「国境沿いの森林帯に住んでいる我が叔父、鱗滝左近次からの命だ。他意も無いため、供も連れていない。先だっては、岩が飛んできたため、臨戦態勢をとったまで」
「うーん、一応筋は通っているわね」
「もう。どうするかくらいは決めて下さいね、陛下」
そう、インフェルノは女性優位国。
王宮に住まう多くの者が女性で、男性は基本的に戦に駆り出されている。
故に、国政も女性が仕切る。
そして今の陛下は確か宇髄と同い年。
胡蝶カナエ。
しのぶ、カナヲはカナエの妹で言わずもがな王位継承者だ。
「フラムの冨岡義勇くん。10年前に会ったきりだけど、貴方は不死川くんと違って自分の足で調べる様な子じゃなかったと記憶しているけれど?」
その疑問は最もだ。