第58章 絶対君主には成れずとも$ 下巻1
「本当。嘘のつけない人ですね……」
「ぅ……」
「こっち向いてもらえませんか?」
もぞもぞと動き、冨岡が体の向きを反転させる。
チュッ。
「口付けだけなら良いですか?」
「今のは事後承諾だ…」
「あまりつれないこと仰るなら私からイタズラしてしまいますよ?」
「イタズラ?」
冨岡の手を掴み、自分の心臓の鼓動が伝わる様に胸に当てる。
「ほら、だって私…義勇様といるだけで…こんなにドキドキするんです…///」
「朔……」
「私が義勇様の事を好きなのは変わりません。ずっとお慕いしてます」
そんなことを言われては……
こんな時、宇髄や煉獄ならばうまい台詞をかけてやれるのだろうが……