第2章 今宵、君に酔う
「………バカぁ……っ」
涙目で瞳潤ませて、睨まれたってそんなの、余計興奮煽るだけなのに。
わかってないなぁ、ほんと。
「かわいい、理緒」
「知らない……っ、もぉ、かえるもん……っ」
「はいはい、わかったってば。ごめんね?俺が悪かった」
泣きながら体ごと横向きに、顔を両手で覆う理緒の頭を撫で。
ついでにこめかみへとキスをする。
「ね?許して、理緒」
「…………ぅぅ」
唸りながらも首を振る理緒の体を、今度は後ろから抱き締めた。
ついでに。
理緒の足を片方自分の足へと絡ませれば。
ピクン、と大袈裟に反応する素直な体。
こんなにも、理緒の体は素直なのにな。
俺がそう、教え込んだ。
俺の指に、肌に、舌に。
俺だけに、反応するように。
3年かけて、教え込んだんだから。
「たく、み、待ってほんとに、するの?」
「うん」
「………っ」
「だって理緒も準備万端じゃん」
「でも、だって……」
「さっきから雷、気にならなかったでしょ?」
「ん……っ」
さっき達した余韻か、すんなり指先を受け入れるその場所へと、2本の指を、滑り込ませた。
「ほら、全部はいった」
「匠、耳やだぁ……っ」
「理緒は耳も弱いよね。あとは……ほら、こことか?」
「ひゃぁ!!」
「しー、理緒。おばさんたち起きちゃうよ?」
子宮の手前、お腹側のざらざらした場所を少し掠めただけでビクン!と跳ねる理緒の口を、思わず左手で塞ぐ。
「……ふぅ、んん……っ」
潤ませたその、横目で睨みながら掌の中で理緒が唸るから。
なんだか強引に犯してる気分になる。
すごく、ぞくぞくする。
「理緒は煽るの、上手だね」
離れられないのは、俺も同じ。
抱く度に。
理緒の体が反応する度に。
中毒のように理緒を求めてる。
たぶんもう、理緒なしで生きていくなんて不可能だ。
「も一回イかせてあげる」
「ふぅ……っ、ん、んんぅ」
泣きながら顔をぶんぶんと振る理緒を見ても。
止めてあげようなんて気は起きなくて。
もっともっと、泣かせてあげたくなる。
「いいよ、理緒、何度でもイかせてあげるから」
「━━━━━━っ、ふ、っあ!?……ぅんん、んんっ」
なかがきつく吸い付きはじめて、締まった瞬間。
掌を離して、代わりに唇で理緒の声を、飲み込んだ。