第1章 今宵、蜜に溺れてく
「ご……めんなさ……っ」
「後ろ向いて、理緒」
「━━━っ!!や、やだ、ここじゃ嫌……っ」
「後ろ、向いて」
「………」
表情を変えずにそう一言耳元で囁く彼に、拒否は許されない。
唇を噛みながら、彼に従った。
「━━━━っぅ、ぁあぁあ……っ、や……っ!!」
壁に手を付きながら、お尻を付き出すようにすれ、ば。
学校でこんな格好してる事実に羞恥心を感じ震える身体は、一気に重い衝撃に貫かれた。
「理緒、声」
「ん、んぐ、んや……っ、やらぁ…」
「駄目」
腰をゆらゆらと動かしながら、甘い矯声は彼の2本の指先に呑み込まれていく。
喉深くまで、口の中を2本の指先が犯して。
閉じられない口からは舌足らずに呂律の回らない言葉しか出てこない。
「や…っ、ゆび、…っ」
「噛んでもいいから」
「や……っ!!」
突き上げるスピードが、加速して。
彼が内壁を押し広げるように、腰を打ち付ける。
「━━━━━ふ、んんぅ……っ」
ぐり、って。
お腹の裏、子宮の手前を抉られれば。
無意識のうちに彼の指に歯を立てながら。
身体は弓なりに反り返った。
「……き、っつ…っ」
壁に付いた手の甲に重ねられた、彼の掌。
それは自然と絡め取られ、そこから伝わる彼の熱。
わたしと同じように熱を持つそれは。
彼も同じように欲情してるのだと、思い知らされる。
同時にその事実に、どうしようもなく煽られていく自分も、いて。
「理緒、こっち」
先ほどまで口内を犯していた濡れた指先に導かれるように後ろを振り向けば。
「っ!!」
噛み付くように重なる唇。
そしてそのまま、彼が果てるための動きへと腰の動きが、変化して。
呑まれるようなその快感に抗えるはずもなく。
「━━━━━〰️〰️ッッ!!」
吐息さえも呑み込まれたままに、わたしたちは同時に、絶頂を迎えた。