第1章 今宵、蜜に溺れてく
「………っは、ぁ、ぁあん……っ」
薄暗い書庫の中、響き渡るのは耳を塞ぎたくなるくらいの卑猥な水の音と。
わたしの、甘い声。
「声駄目って言ったはずだけど」
「……むり…っ、できな…っ、━━━んぐっ!?」
「あとでたくさん聞かせてもらうから、今は我慢、わかった?」
有無を言わせぬ彼の物言いいに、コクコクと首を縦に頷いた。
「………イイコ」
にこ、と笑うこの顔に、逆らえない。
ゾクリと、体が震える。
「………締まった」
「……っ」
「押さえつけられて無理やり犯られてんのに、気持ちいいの?」
「ふ……っ、ぅんん…っ」
大学の別棟にある図書室。
の、書庫の一室。
書籍の棚に背中を預けながら、スカートの中、下着は中途半端に下ろされて。
彼の指が暴れまわる。
内壁を擦られる度に駆け上がる快感に身を捩り、ついでに甘く啼けば。
彼の大きな左手は、戒めとばかりに口を塞ぎ声を呑み込んでいく。
「………もしかして、もうイきそう?」
「………っ」
涙目で彼を懇願の眼差しで見上げるけど。
「もうちょい我慢」
「━━━━っ、んん、ぅ、ん…っ!!」
名残惜しそうにヒクつくなかから、指を引き抜いて。
彼は下着を完全に剥ぎ取ると。
わたしの右足を自分の肩へと乗せて。
跪いた。。
「━━━━━っ!!」
「駄目。逃げない」
跪きながら舌を覗かせて、わたしを覗き込む、彼の鋭い視線。
ふるふると震える体を精一杯動かして。
両手で口許を、覆った。
━━━━━瞬間。
「━━━━っっ、ぅ、んん……っ」
彼の舌は、開かされた秘部を這い回り、引きずり出し、吸い上げる。
唇でやわやわと食みながら、舌先で転がして弄ぶ。
「……むり…っ、あし、力はいらな……っ」
首を左右にふって両手は口許から彼の頭へと移動させる。
だけど。
それは彼の意図には、反する行為。
「手、離して良いって言った?」
「━━━っ」
跪いていた身体を起こし、顔の横へと付かれた両手。
完全に彼に囲われた形になって。
濡れた指と唇を舐めながら、わたしを見下ろす彼から視線が外せない。