第1章 今宵、蜜に溺れてく
「〰️〰️っっ」
平気でそんなセリフ……っ
聞かされるこっちが、恥ずかしくなる。
「………すっご、いい眺め♡」
少しだけ体を起こして。
一瞬驚いたように開かれた細長の切れ目、は。
すぐにその面積を狭め。
艶のある、熱っぽい視線へと、変化した。
「うん、わかる。これいい」
「?」
「理緒、すごい固くなってるよ?」
「?」
キョトン、て。
その場で首を傾げれば。
匠の指の腹が、胸の先へと触れた。
途端。
「━━━━━っっ!?」
ビリビリと、何かが体をすり抜けた。
同時に沸くのは、先ほどの羞恥心。
わたし、下着着けてない……?
素肌にTシャツ、着てるんだ。
気付いた途端に羞恥心は酷く強くなり。
あわてて飛び起きようと、するけど。
「残念、離してあげないよ」
「………っ」
両手が匠に捕まったまま、だった。
「いい眺め」
見下ろしたまま、唇をペロリと、舐めて。
先ほどよりも熱をはらんだ瞳が、揺れ動く。
悪戯をする、子供のように。
官能的に魅了する、大人のように。
「………理緒、その顔はちょっと、危ないよ?」
「だ、だって……っ」
ふ、って。
笑って。
匠の熱い唇が、額へと降ってくる。
それはそのまま場所を変えて、目元へと落とされ涙さえも拭っていった。
「………匠、熱い」
捕まった掌が。
肌に触れる唇が。
匠が触れた場所が。
全部熱い。
「理緒もね」
「ん……っ」
耳から首筋に匠の舌が、這い、強く吸い付けば。
ピリッとした痺れに似た痛みと共に、匠が満足そうに顔を上げた。
「………かわいい反応、理緒」
「も、動かないから手、離して」
「やーだ。この方が理緒かわいいし。なんか嗜虐心かりたたせるよね」
ゾク、っとするほど妖艶に、笑って。
匠の艶のある、視線がまっすぐ射抜く。
「変なもんかりたたせないで、お願いだから」
ほんと、心臓もたないから。