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今宵、蜜に溺れてく

第1章 今宵、蜜に溺れてく



「んん━━━ぅっ」


流し込まれたコーヒーを喉を鳴らして飲み込んでも。
匠の唇は離れてはくれなくて。
さらに深く、匠の舌が口の中へと入り込んだ。





「………っ、甘いコーヒー、苦手だって!!」


漸く唇が離された頃。
息切れで肩で呼吸するわたしを匠が上から見下ろす。


「俺、苦いの嫌いだもん」
「こんなのコーヒーじゃないっ」
「コーヒーだよ。理緒のためにミルクなしにしてあげたんじゃん。おかげで口の中苦…っ」
「苦、って、これのどこが!?………っん」


「理緒の甘い唾液、ちょーだい?」


口付けしながら。
少しだけ離された隙間で、匠が囁いて。
抗議する間もなくまたすぐに塞がれる。

「ちょ……っ、まって……」

角度を変える度にできる僅かな隙間から抗議の声をあげても。
すぐに噛み付くように塞がれて。
両手で匠の肩を力いっぱい押しやれば。
あっとゆーまに両手は頭上で拘束された。


「たく、……っ、み」


「理緒も、ちゃんと応えて」

「ん……っ」

「ほら、甘い唾液、ちょーだい?くれるまで終わらせない」
「………っ」


「理緒、好き」


唇の隙間から、囁かれて。
またすぐに塞がれる。

「たく、み………っ」
「好き、理緒」


ちゅ、ちゅ、って。
わざとらしく音立てながら、唇が啄まれて。
吸われて。
熱い舌が、入ってくる。


「ま……って、たく……っ」

左手であたしの両手、拘束して。
右手は、頭ごと抱えながら頭を撫でてわたしの動きを封じる。


ちゅくちゅく、と。
口の中で暴れまわる熱い舌。

「………」

逃げる舌を引きずり出して、擦り合わせ、吸い上げる。


「ん、んんぅ」


観念、して。
舌に乗せた唾液をそのまま匠の口へと、運べば。
コクン、て。
唇を離して匠はわざとらしく喉を鳴らす様を、わたしに見せつけた。


「………っ、悪趣味…っ」
「理緒が恥ずかしがるの、かわいーんだもん」

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