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今宵、蜜に溺れてく

第1章 今宵、蜜に溺れてく





「━━━ん……っ、はぁ……っ」
「理緒、すごい熱い。そんなに欲しかった?これ」


駅のトイレ。
座る匠の膝の上に向かい合わせに腰を落として、匠を受け入れる。
突き上げられる度に反り返る身体。
反らした喉元を舐めるように、匠の舌が顎を這う。


「たく、み……っ、音、やぁ……っ、ゆっくり……っ」
「ゆっくりのがいいの?」
「━━━っ、ち、が……っっ」

激しかった突き上げが、ゆっくりゆっくりとした動きに変わって。
浅いところしか出し入れされない。
深く、もっと深いところまで、欲しいのに。


「たく、みぃ……っ」
「━━━━っ、エッロ、理緒」


腰を持ち上げられて。
ずるりと、匠がわたしのなかから抜け落ちる。


「や……っ!?」
「大丈夫、あげるから」


腰掛けていた身体を起こして。
立ち上がった匠に抱えられるようにして、わたしの背中がドアへと触れた。
膝裏を抱える匠の、腕。
片足がかろうじて床についている状態で、わたしの身体は宙へと浮く。


「ぇ」


ゆっくりと腰を落とされれば、そのまま入ってくる匠。
だけど。
先が少しだけ沈んだ状態で、匠はその動きを、止めた。


「あー、すごいね理緒、先っぽしか挿れてないのになか、すっごいひくひくしてる」
「………ぁ、やだ、匠」


なか、貫かれる快感を知ってる、から。
太くて堅いので、苦しいくらいに突き上げられる気持ち良さ、知ってるから。
この状態で止められた行為が今は逆に苦しい。
早く深いところまで欲しくて。
なんとか腰を落とそうとするけど。


「だーめ」


ぐい、って。
両膝裏へと手がかけられて。
完全に体が宙へと、浮く。


「ほら、これで主導権は俺のもの」


「………っ」



ずぶ、って。
匠が少しだけなかへと挿入ってくるだけで。
悦び震え、反らされる喉元。


「ねぇ理緒」


反らされた喉元に、かぷ、って噛み付いて。
舌を這わせながら。


「………約束って?」



低く囁く口許と、挑戦的に射抜く瞳。



「なんでそんなに言いたくないの?俺に知られちゃまずいこと?」


「おねがぃ……っ、匠……っ、シたい………っ」



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